利尻岳

　頂上を後にして、正木ケ原の鞍部に戻り（下り経過３０分）、そのまま直進して、１６４１ｍ峰に着いた。振り返ると、日出ガ岳が望めた。正木ケ原からは、少しくだって、大台ケ原バス亭からの道が右から合する尾鷲辻に出た。　堂倉山を経て、尾鷲へ下る道と休憩所を左に見送って、まっすぐ牛石ケ原に向かう。ブナ、トウヒモミなどが散立し、イトウザサが一面に茂る高原状の牛石ケ原に入ると（経過１時間）、左に伝説の牛石、右に大きな神武天皇の銅像があった。　牛石ケ原を過ぎると、ほどなく左手に枝道が現れた。
　ここが大蛇嵓の入口である。大蛇嵓の先端には、鎖に棚が取り付けられている。ここからの眺めはすばらしい。深く切れ落ちた足下の東ノ川を挟んで竜口尾根が見え、蛇行する白布のように落ちているのは、西ノ滝だ。目の前には、蒸籠嵓の峭壁、その後ろに、中ノ滝と西大台の植林帯が続いていた。
　帰路は、シャクナゲ、ゴヨウツツジの多い岩稜を周遊路まで戻り、道を左にとって、シャクナゲ坂からシオカラ谷に出た。（経過１時間１５分）。
　この道は、名のとおり花期には、満開のシャクナゲが飾られ美しい。立派な橋に架け替えられた、シオカラ谷吊橋の下を流れる清流は、川床の岩崖を走り、すぐ先で、東ノ滝となって懸崖を落下していた。　吊橋を渡って、樹林帯の坂道を登っていくと、やがて千石嵓への道が左に分岐していた。
　右の道を登って、大台山ノ家への広い道に出た。
　右に行けば大台山ノ家、左に行けば10分ほどで、大台ケ原のバス亭に着いた。（経過１時間４０分）。

　大台ケ原のバス亭から、大台荘とビジターセンターの中間あたりにある日出ガ岳への道に入った。大台荘の裏にあるところで、右に尾鷲辻への近道を見送ると、少しして左手に、石段の山道が分かれていた。これは御霊ガ丘と苔鑑賞路へ通じる道だ。　広い林間の道は、木の間に日出ガ岳を望む辺りから傾斜を増し、シオカラ谷源流を登るようになる。登り切ると、日出ガ岳と正木ケ原の鞍部に出た。
　左に階段を上り、コンクリート製の展望台と、その左右に無人気象観測所が立つ、日出ガ岳山頂に着いた。（経過４０分）。　展望台の北側に、小さなケルンと三角点があった。　山頂からの眺望はすばらしい。北に高見山へ続く高台の山々が連なり、東には尾鷲湾、熊野灘の島々が眺められ、南には、北山川流域の山が続いていた。
　西には、吉野山から釈迦ゲ岳に至る大峰主稜を一望する景観がすばらしかった。

【日本百名山から】
　年間総雨量５，０００ｍｍという世界有数の雨水量を誇る大台ケ原は、１年のうちに４００日は雨が降るといわれており、大台ケ原に登って雨に遇わなかったら、よほど精進のよい人といわれる。その湿潤な気候のため、山上にはブナやトウヒの原生林が広がり、樹林の下には緑の絨毯のように苔が敷きしめられている。

	大台ケ原	日出ケ岳
登り	１１：２０	１２：００
	日出ケ岳	正木ケ岳	中石ケ岳	大蛇嵓	ソオカラ岳	大台ケ原
下り	１２：００	１２：３０	１３：００	－	１３：１５	１３：４０